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2014年


1月30日


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;<0>タイムオーバー、警告、アラーム、終了音、
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;世界の終わり



;葉一は、Y山へ行き、川へ身を投げ自殺を試みる。



葉一は、闇の中にいた。

「葉一君」

誰かが肩に手をおいた。

「自分を見失ってはいけないよ」

「見てごらん」

「君は、一人なんかじゃない」

葉一の振り向いた先には、複数の人影が並んでいた。
皆、見覚えのある顔だった。
静かに翳る ed画像

静香さん。
深枝先生。
マニアと小学生時代の同級生たち。
菊岡と母親。
兄の広史やシンジとその仲間。
つい先程まで傍にいた藤倉茜、その親友の桃井由梨。
そして高校の担任、美術のヒゲメガネ、他の科目の教師たち……。

今までに出会った人々が、葉一を真っ直ぐ見つめていた。

「ほのかちゃんは……?」

どこを探しても、彼女の姿が見当たらなかった。
男は、残念そうにゆっくりと頭を振った。

「ほのかは、幻想を求めすぎた」

「ここにはいられない」

「幻想に囚われれば、後は深みへ堕ちていくばかりだ」

「そこは深奥と呼ばれる」

「深奥……?」

「そう。君は既に、この呼び名を知っているはずだ」

「分からない……」

「まあ、無理もない。君が小学2年生の頃の話だ。
忘れてしまっていても不思議ではない」

「……もしかして」

「ああ、そのもしかして、だよ」

「幻想大全。あれは、私の曽祖父が編纂したものだ。
我が一族が受け継いできた、この土地の伝承と記録を元に綴られた一冊だ」

「この絵図を見れば、はっきり思い出すだろう」

「この中央に描かれる山こそ、通称Y山と呼ばれる我が一族が繁栄し、
長きに渡り生活を営んできたの土地だ」

「この絵図には、ある一連の流れが示されている」

「死」から始まり

「消」

「求」

「飢」

「……分からない。けど、そんな話はいい。
それより、ほのかは、どこにいるんだ?」

「ほのかがいる場所か……」

「それは――」

「深奥(ここ)だ」

「じゃあ、そこへ行く方法を教えろ」

「まあ、待て。話は最後まで聞くものだ。
ほのかが、どうして死んでしまったのか、知りたいだろう?」

「……知っているのか……?」

「ああ」

「ほのかは、父親の死を受け止めることができなかった。
ひどく打ちひしがれた。
父親のいない日々は寂しく、ほのかは孤独を募らせていた。
次第に父親との思い出に浸るかのように、Y山で時を過ごすようになった。
強く父親を求めていた。
来る日も来る日も、望み、願い、希求した」

「過剰な希求は、幻想を生み出す。
実際、彼女は父親という存在を捉えることができた。
その時、ほのかが得た喜び……言うに及ばないだろう。
一時、彼女は幻想に魅了された。
その間、彼女の心は満たされていた。

しかし、一度幻想から身を引くと、
父親がもういないという現実に押しつぶされそうになった。
常に極度の不安感が付き纏うようになった。

ほのかは、縋るようにY山へ向い、幻想を求めた。
そうすることで精神を安定させることができた。

だが……幻想を求め続けた者には、必ず死が訪れる。
ほのかは、父親という幻想に食い殺されたのだ。

「……あんたは、一体、何者なんだ」

「茂上義之。ほのかの父親だ」

「……あの人はもうとっくの昔に死んでいる」
 ということは……俺は、死んだのか」

「そうとも言えるし、そうでないとも言える」

「君は今、生と死の狭間……そのちょうど真ん中に立っている」

「今なら、後戻りできる」

「君は一人ではない。これから、きっと大切な人たちに巡り会える。
まだ生きる希望を捨てるべきではないよ」

「黙れ……あんたに何が分かる? 
娘をおいて先に逝きやがったあんたに、俺の……何が分かる」

「いいか、葉一君」
「もう一度言う、君は、まだ後戻りできるんだ……これ以上、娘に囚われては……」

「……何が言いたい……?」

「君は、ほのかと同じ道を歩もうとしている」

「ほのかが私を強く求めたように、君もまた、娘を強く求めている……」

「幻想はまやかしだ」
「そして、求め続けた者は、身を滅ぼす運命にある」

「見なさい。この先に続く闇を」
「幻想に食い殺された者は、この闇を永遠歩き続け、深奥を目指すのだ。
この終わりのない闇こそ、深奥と言ってもいい……」

「おい……どこへ行くんだ……?」

「……」

「葉一君、私は長年研究を続けたが、分からないことがあった。


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;カシの結末を挿入歌的にw
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「葉一くん、本当に、ここに来てよかったの……?」

そう声を震わせながら、ほのかは訊ねた。

瞳には、涙が浮かんでいた。

今にも、こぼれ落ちそうなそれを真っ直ぐ見つめ、葉一は強く頷いた。

「当たり前じゃん」

「嬉しい……」

「僕は、どこまでも行くよ。そこに、ほのかちゃんがいるなら」

「もう、随分、大人っぽくなったね」

「ううん。僕は、あの日から、ずと変わらないよ」
「ずっと、とまったまま」

「あのね、分かったの。あの夢で聞いた音楽のこと」

「お父さんがあたしのためにピアノを弾いてくれていたの」
「生まれて間もない頃、あたしがぐずりだしたら、
子守唄のように聞かせていたんだって……」
「でも、いつからか、あたしも大きくなって、お父さん、
その曲を弾かなくなったみたい」
「だから、寂しかったり、悲しかったりしたとき、夢の中で、
聞こえたんだと思う。あたしを安心して眠らせるために」




「そろそろ、お別れの時間……あたしは、この闇の果てにある
深奥へ行かなきゃいけない」

「葉一くん、あたしのために……ありがとう」
あたしね、葉一くんに出会えて、幸せだったよ!」

――それじゃあ、ゆっくり休んでね。

柔らかなピアノの旋律が聞こえてくる。

静かに翳る エッグ

これはラストシーンの没シナリオだねっ☆

静かに翳る 動物人間

よくある演出だな。

静かに翳る MADOROMI

普段は意識していないが、実は、色々な人たちが自分を支えてくれていたという事実に気づくシーンで、人間のシルエットがだんだん増えていく演出を考えていたんだけど、再び「人間のグラフィック問題」に直面することになったwシルエットならイケルかな? と思ったけどダメだった\(^o^)/

静かに翳る 動物人間

誰かがいる」っていうことを示すなら複数のシルエットでいいが、「登場人物たちがそこにいる」って場合、そのシルエットの持つ意味は前者とだいぶ違ってくる。それぞれを比較して「この人物は背が低いから誰々かな」と、特定の人物の外見をイメージさせ兼ねない。すると、キャラ絵なしで展開してきた作風とズレが生じ、読者に違和感を与えてしまう可能性がある。

静かに翳る 動物人間

例外として、特別感の演出のために直接示したほのかのビジュアルが存在している。だが、本当に例外であったのかは分からん。そもそもこのシルエット問題は、今回の静翳製作に限った話なのかもしれん……。

静かに翳る MADOROMI

もともと「幻想遊び」といって、幻を見たり聞いたりする禁じられた行為が存在していて、ほのかは亡父に再会したいがために、その禁忌を侵し、その代償として「深奥(しんおう)」と呼ばれる無の世界へ連れて行かれる、という設定だったんだ。

静かに翳る 動物人間

聞け!!!

静かに翳る エッグ

○の○金○師みたいなかんじ??

静かに翳る MADOROMI

そうそう、ハガレソみたいな感じwただ、その「無の世界」というものの取り扱いが困難だった。(ノω・、) ウゥ・・・死者は「天国」へ行くが、幻想遊びをしてしまったものは「無の世界」で永遠に罪を償うことになる! だから、葉一が死んだとしても、ほのかには会うことができない! 死をもってしても叶えられない願い!いいやん!

静かに翳る 動物人間

聞けよ。

静かに翳る エッグ

でも、これってようするに「じごく」なんじゃないの?

静かに翳る MADOROMI

うん。天国地獄という宗教的な設定を入れると、おかしいことになるらしい。 「え、日本(みたいな世界観)なんでしょ??」 「そもそも、なんで死んだら天国へ??」 「無の世界」の対になるのが「天国」ってじゃない??」 「せめて「有の世界」とかにしたら??」 「いや、それでも世界観おかしいよね??」 (あーだこーだあーだこーだ

静かに翳る 動物人間

……。

静かに翳る MADOROMI

とにかく、宗教的な観念をねじ込むのは「NG」だと判断し、没にしたのだった。(仮に、それで行くなら、幻想編から全部やり直しになるw)でも、そういう世界観をもった話もやってみたいなぁとは思ったりする。

静かに翳る 動物人間

お前ら、地獄行きな。

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